東京工業大学附属科学技術高等学校 国語科

本校国語科における教育方針

 母国語(日本語)を十分に使いこなせるようにすることが、学校や社会で活動する際の大前提です。母国語をきちんと使いこなす力を持たなくては、情報の適切・有効な扱いも、構造的・論理的思考も、外国語の理解・表現も、中途半端なものに終わると言ってよいでしょう。

 国語科としては、日本語の文章の読解力の向上、まずは高校の教科書レベルの文章を十分理解する力を持つということ、また、文章をその形態(文書・口述など)や状況に応じて適切に表現できるようにすること、この二つを基本的な目標としています。その土台があってこそ、科学技術分野の学習・研究に必要な思考も可能になると考え、ここまでを標準的な到達点と想定しています。

読解力・論理的思考力・表現力の育成、これが本校本科の方針ということになります

国語科としての教育への取り組みと計画

 本校では多くの生徒が理工系分野を志望しています。しかし、直接理工系分野に臨むための言語力(語彙力・論理力・表現力など)を意識するばかりでなく、社会人としての言語能力、また国際人としての言語能力(外国語や情報の扱いに関わるものを含め)を向上させることは、総合的な人間力をそなえた研究者・技術者育成の根底的課題とも言えるでしょう。国語科としては、文系科目としての本道を見失わない確固とした手法を意識し、教科教育に取り組んでいます。

 具体的な授業の進め方としては、「文章を理解する」、「その文章に書かれていることを正確に理解し、自らの考えを持つ」、「自身の考えを適切に表現する」という三つの観点に立ち、各年次の課程を考えています。

 本校の生徒は、1学年次にはまず「理解」に重点を置き、現代文分野・古典分野の両方に取り組むことになります。そこで培った力を基に、2・3年次の現代文の学習で、読解力・表現力のさらなる向上を意識し、学習に励んでください。2年次は週2校時、3年次は週1校時という少ない授業時間数でも、主体的かつ真剣に取り組むことで、自らの視野を広げ、多くのものを身につける時間としてもらえることでしょう。